滑剤(固結防止剤)とは、錠剤を成型するときに、鋳型にくっつかずに、すんなり取り出せるようにするために、材料を滑らかにする物質です。アメリカではステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素がよく使われますが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムは日本では使えません。その代わりに(高級)脂肪酸、炭酸マグネシウム、二酸化ケイ素などが使われます。日本では固結防止剤と呼んだりします。「(高級)脂肪酸」(高級)脂肪酸は、動物性または植物性油脂、例えば牛脂、ヤシ油、魚油などの天然油脂から得られます。脂肪自体のカロリーは高いのですが、健康(栄養)補助食品に使われている量を考えれば、特に問題となることはありません。「炭酸マグネシウム」硫酸マグネシウム溶液に炭酸マグネシウム溶液を加えて製造されます。天然には岩石(マグネサイト、ドロマイト)から得られます。このマグネシウム自体は容易に吸収されず、3分の2は糞便中に、3分の1は尿中に排泄されます。つまりほとんど体に吸収されないので毒性については問題にならないと考えられます。摂りすぎると下痢を起こすくらいでしょう。「二酸化ケイ素」もともとはケイソウ土より得られます。ケイソウ土は、珪藻という単細胞の藻類(植物性プランクトン)が死滅し、水底に堆積したものです。珪藻の細胞壁に二酸化ケイ素が含まれているのです。二酸化ケイ素はアメリカの健康(栄養)補助食品ではシリカ(二酸化ケイ素のこと)として、骨、爪、髪の毛のための健康(栄養)補助食品に入っていたりします。またシリカとも呼ばれるホーステール(スギナ)は、実際にシリカを含み、爪や髪の毛に栄養を与え、骨を丈夫にするハーブとして主にヨーロッパで使われています。しかし滑剤としての二酸化ケイ素にそんなことを期待するのには無理があります。また、粉末状の二酸化ケイ素を吸入すれば肺の機能障害があり得ると報告されていますが、錠剤に使用されている限りそのような心配はありません。