使用者が従業員を採用するに際して、少なくとも次のような労働条件は明示することが労働基準法で義務づけられています。(1)労働契約の○○(2)就業の場所と仕事の内容(3)始業、終業時刻と時間外労働の有無。休憩時間、休日、休暇など(4)賃金の内容、支払い方法、支払い期間など(5)退職に関する事項。この労働条件の明示は、正社員の採用時に限らずむしろパートタイマーや嘱託、臨時雇用者の採用時に大切になってきます。それはこうした人々は個々の労働条件が異なったり特約事項がつく場合もあるから書面による明示が必要なためです。このほか、出向社員や派遣社員については使用するうえで関係する各種の条件をお互いに確認する必要があります。そこで、採用の際労働契約で明らかになった労働条件が、いざ就労した段階で実際と異なっていた場合について労働基準法は、「労働者は、即時に労働契約を解除することができる」と定めています。通常退職する場合は「雇用は解約受入の後二週間を経過したことによって終了する」という民法の規定にしたがうことになりますが、労働条件が異なっていたときは即時退職できるというのです。なお、一般的には契約の内容が異なっているときは、債務の履行を催促した後になお履行されない場合、契約を解除するという手順を経ることになっています。しかし、実際の労働条件が労働契約の内容と異なっているときは、労働者を保護する趣旨から、即時に労働契約を解除することができることとされているわけです。
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