「睡眠が大切だ」ということは誰でも知っています。しかし、その根拠をきちんと理解している人は、意外に少ないのではないでしょうか。睡眠には、「疲れを取る」というあたりまえの目的以外に、受験勉強に必須の役割があるのです。人間の記憶には、「近時記憶」と「遠隔記憶」があります。近時記憶は、今日の昼に何を食べたかなど、いわゆる「最近の記憶」のことを指します。勉強で言えば、その日の学習内容は、まずこの近時記憶になります。一方、遠隔記憶は、数年前に行った旅行の記憶など、いわゆる「過去の記憶」です。今日の昼に食べたものが思い出せなくても、10年前に行った旅行で泊まった旅館の名前は思い出せる。そんなことが誰にでもあると思います。これは、今日の夕食に食べたものという、当時の近時記憶が現在の遠隔記憶になっていないために思い出せず、10年前の旅行のことは遠隔記憶になっているために、今でもしっかり思い出せるのです。