子どもに幼稚園受験をさせたNさんが、トップ・エリート受験校の生徒たちの気質を「このままではぜったいに終わらないとつねに思っている」と評していた。どれだけすばらしい成績をとっても、そこで満足して終わるのではなく、もっと上を狙う気質である。小さいころから「がんばって」と親から言われつづけた子どもたちは、どんなにがんばっても「まだこれじゃダメだ」という自己不全感につきまとわれがちであるという。専門家は「早期教育的雰囲気」という言葉で、子どもたちが競争原理に組み込まれる実態を表現している。「“もっともっと”という強迫性、他者との競争原理、自発性略奪状況、母親からの支配−服従性、父親不在などこれらすべてが『早期教育的雰囲気』のなかの一つひとつの要素なのである」と言う。そして早期教育で問われる知識やしつけではなく、心の問題、つまり情意が限りなくゆさぶられる不安定な思春期において、幼児期に養われるべきだった情意や意欲などが健全に発育していないと、子どもの精神は不安定になるのだそうだ。
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