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平安の美容法は贅沢

平安の美容法がいかに贅沢だったか、「零落小町」にはこうした美容法をまさに実践している富豪の娘が描かれている。同時に、その零落後の悲惨な姿は、美容に費す時間的金銭的余裕がなくなった「化粧美人」の素顔がさらされていると見ることもできるのではないか。そのブス顔を見た人が受けた衝撃をもとに作られたのが、この漢詩なのでは?と私はにらんでいるのだ。体の大部分を覆う着物は絹だの綾だの目もくらむ美しさ。全身からは高価な薫物による芳香が漂い、紫外線にもあたらないからシミ・ソバカスやシワも少ない。水仕事はしないから肌あれやあかぎれもなく、子供を産んでも乳母任せだから所帯やつれもない。何より平安の高貴な女は人前で顔を見せない。その白粉顔を遠目に見れば、誰彼なしに「色白美人」に見えたことだろう。そしてその厚い化粧や香料や服や重い帳が取り払われたとき、さぞやブスに見えたことだろう。
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